きのこの食毒にまつわる迷信などについて

〜毒きのこにあたらないために〜

(最終更新日:2003年12月31日)

1 むやみに図鑑に当てはめない

 名前のある全てのきのこを網羅した図鑑はなく、図鑑に載っていないきのこの方が多くあります。また、図鑑によって食毒(食用になるか毒か)が異なっていたり、図鑑にも間違いがあります(当サイトの「きのこ図鑑」ページでは、比較的信頼できる図鑑を紹介しています)。無理に図鑑に載っている種類に当てはめず、分からなければ食べない、ということが肝要です。
 きのこの種類を覚えるには、各地のきのこ鑑定会等に参加し、きのこの実物を見ながら、きのこの専門家の話を聞くのが一番手っ取り早いと考えます(独学は、思い込み・早とちり・勘違いを伴いますのできわめて困難です)。
 種名の分からないきのこについては、各地の保健所(新潟県内はこちら)や森林(林業)系研究機関(新潟県はここ)に持ち込み、相談するのがよいでしょう。ただし、前者では、必ずしもその道のプロがいるわけではありません。後者であれば確実ですが、各都道府県に1カ所程度しかないのが難点です。

2 きのこに関する迷信を信じない

(以下の言い伝えはすべて迷信です)

(1)  なすと一緒に煮れば毒は消える

・・・・・・まったくでたらめで、毒が消えることはありません。

(2) 縦にさけるきのこは食べられる

・・・・・・猛毒のドクツルタケドクササコは縦にさけます。

(3) 虫の喰い跡のあるきのこは食べられる

・・・・・・毒きのこを食べる虫がいます。また、猫や犬に試食させるなどは言語道断。

(4) 煮汁に銀のスプーンを入れて、スプーンが黒くなると毒

・・・・・・まったく根拠のないデタラメです。

(5) 色の地味なきのこは食べられる、色のきれいな(派手な)きのこは毒

・・・・・・食中毒を起こしている多くの毒きのこは地味な色をしており、真っ赤なタマゴタケは食用になるおいしいきのこです。当サイトに載っているベニテングタケのように、派手な色で毒きのこなのは稀です。

(6) 塩漬けにすれば毒が消える

・・・・・・サマツモドキオオワライタケなど一部の毒きのこで、毒が抜けるものもありますが、多くの毒きのこは塩漬けしても毒は消えません。(ツキヨタケは両方の説あり)

(7) 傘の裏が網状(スポンジ状)になっているきのこに毒きのこはない

・・・・・・近年ドクヤマドリという傘の裏が網状になっている毒きのこによる中毒例があります。また、毒ではないものの非常に苦いきのこがたくさんあります(ニガイグチモドキなど)。


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