アブラシメジ(Cortinarius elatior)
[カワムラアブラシメジ(Cortinarius elatior var. albipes)]
“シメジっていうきのこはあるの”というページをつくったら、アブラシメジのページが当サイトにないことに気づいたorz
アブラシメジは、フウセンタケ科フウセンタケ属アブラシメジ節のきのこである。フウセンタケ属は、クモの巣状のつばが特徴である。本種は、傘も茎も著しくヌメリがあり、これは外被膜全体が粘性を持つアブラシメジ節の特徴である。
長岡技術科学大学の宮内信之助教授(現特任教授)により、日本のアブラシメジは、ヨーロッパにおけるアブラシメジ(Cortinarius elatior)とは異なる形態を有すること、すなわち、
- 柄が白いこと(ヨーロッパのは柄が紫色)
- 胞子がやや大きく、縦/横比が平均1.9以上であること
などから、新しい変種、カワムラアブラシメジ(Cortinarius elatior var. albipes)として報告された(Mycoscince:41,p.87-89,2000年)。
カワムラアブラシメジの方は、近年刊行された「北陸のきのこ図鑑」(きのこ図鑑のページ参照)にも掲載され、石川県でも従来のアブラシメジより一般的と記されている。新潟県でも同様である(たぶん)。が、まだ「カワムラ〜」という呼び方が定着していないので、本ページは両名並記とした。
アブラシメジ節のきのこは、他にもヌメリササタケなどがあるが、ヌメリササタケ〜アブラシメジあたりの種群を宮内氏が詳しく調べており、すでに新種や新変種として別名で発表されている模様。それに従うと、従来のヌメリササタケとされた種は“希少種”になってしまうようだ。
(2007年11月19日作成)
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