スギヒラタケ(Pleurocybella porrigens食

(2006年10月27日最終更新)

 新潟県ではもっとも有名で、かつ親しまれていた野生の食用きのこである。いや、「であった」というべきである。

 2004年秋、このきのこが原因と「推定」される急性脳症が多発し、一転して毒きのこ?と疑われるようになってしまった。これまで掲載された図鑑には食用きのこと書いてあるが、2004年の経緯を鑑みて、2005年以降に発行(改訂)される図鑑には「毒」の赤いマークが付くことはほぼ確実であろう(注)。

(注)2005年に刊行された「北陸のきのこ図鑑」(きのこ図鑑のページ参照)や「山菜・きのこ採り入門」(山と渓谷社発行)にはそれなりの記載があるようです(2005年12月6日)。

 「スギヒラタケ」の名称どおり、スギ林で秋に多数発生するが、スギ以外にも、アカマツや、亜高山帯のオオシラビソ(=アオモリトドマツ)などにも出る。アカマツ材に出るものは、スギ材に出るものよりも大型で花びら状に束生することが多いという。出る材は苔むしたような古い材が多い。たまにブナ林に出るものもある(下の山形県小国町での写真)。

 食用きのことして親しまれていたため、人工栽培(原木&菌床)も各所で研究されていたようだが、成功した事例は聞いたことがない(原木に接種した事例では5年後くらいに発生したそうだが、それが接種した菌なのかその後入ってきたものなのか定かでない)。菌糸の培養はできるが、伸長が遅いようである。

関連ページ:ヒダハタケ(遅延毒性について記載)

2002年9月29日
新潟県見附市
2004年10月15日
新潟県朝日村
2004年9月11日
山形県小国町
2004年11月09日
新潟県某所産

参考ページ:ヒラタケ(とウスヒラタケ)とスギヒラタケの違いについて


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