オニナラタケ(Armillaria ostoyae)食

 クロゲナラタケに続いてとりあえずナラタケ属をもう一つageてみる。

 日本産のナラタケ属として、ナラタケ(Armillaria mellea)とナラタケモドキ(A. tabescens)がよく知られている。前者は柄の上部に”つば”があり、後者はそれを欠く。
 前者のナラタケについてはさまざまな図鑑で1種として扱われて掲載されていたが、形態や発生時期などで分けることができるさまざまなタイプが知られていた。

 最近(といっても5〜6年くらい経つが・・・)になって、この”ナラタケ”がいくつかの生物学的”種”に分割できることが明らかにされた。ここで生物学的”種”というのは、生殖的に隔離されていないというか、要は子孫を作ることができるグループのことである。
 すなわち、ナラタケという同じ名前のきのこでも、お互いに子孫を作れないできない(それぞれの胞子から発生した一核菌糸同士が接合して核を交換した一人前の二核菌糸になれない、)ものが混ざっていた、ということが分かったのである。
 どういう種類に細分化されたのかという話は、そのうち「ナラタケ」のページを作るときにとっておきたいと思う。

 で、”オニナラタケ”という和名もそのときに生まれたのかというと、どうも違うようだ。
 そのことが分かる前から、本種は生物学的”種”概念は別としても、”ナラタケ”から区別されていた。1994年に刊行された「山と渓谷社フィールドブックス きのこ」(「きのこ図鑑のページ」を参照)でも掲載されていたし、北海道関係のきのこ図鑑でも「ツバナラタケ」として紹介されていた。
 カラマツなどの針葉樹林によく発生するという点(ナラタケは針葉樹林にも出るが、どちらかといえば広葉樹林の方に多い)、柄に鱗片(ササクレ)が多いことなど、特徴的な性質があったためと考えられる。

オニナラタケの写真1へ(65KB)

長野県飯縄山
2004年9月15日
(65KB)

オニナラタケの写真2へ(37KB)

長野県飯縄山
2004年9月15日
(37KB)

(2006年6月24日作成)


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