ナラタケ(Armillaria mellea食(生食は中毒

ナラタケ写真1(42KB)

2003年10月28日
(42KB)

ナラタケ写真2(64KB)

2003年10月28日
(64KB)

これまでクロゲナラタケオニナラタケといったナラタケ属の種を取り上げてきたが、ナラタケ属のもっとも代表的かつ標準的な本種、ナラタケを掲載しなかったのはどうかしている。もっと早く掲載すべきである。いや、全くそのとおりなのだが、単にきちんとした生態写真(=野外で発生している状況を撮影したもの)を撮れなかったことが唯一・最大の原因である。

で、このページにいろいろとナラタケが細分化された経緯を書こうと思ったが、管理人の転勤等により資料が散逸してしまい、筆が止まってしまった。ナラタケの生物学的な種の区分についてはいろいろな研究があったが、下記の文献がその代表的というか集大成であったように記憶している。

ナラタケ類(ここでは生物学的に区分されたいくつかのナラタケ近縁種を含む)はよく親しまれている食用きのこである。新潟県では急性脳症の疑いのため、2005年以降スギヒラタケの食用自粛が要請されてきた。ナラタケ類は新潟県ではスギヒラタケについてよく食べられているきのこだと思われるが、下記の点でスギヒラタケと異なり、「誰でも採れる(区別できる)きのこ」ではない。

  • よく広葉樹林に発生するが、針葉樹林にも時々発生する(←→スギヒラタケはほとんど針葉樹林のみに発生)
  • 傘表面のササクレ(鱗片)、柄に”つば”がある、根元が膨らむことなどいくつかの特徴があるが、生育段階や個々の生物学的種によって特徴の発現が異なる。”つば”は、ナラタケ・オニナラタケのように残存する種もあれば、成熟すると落ちる種(クロゲナラタケ・キツブナラタケ等)もある。(←→スギヒラタケは生育段階やタイプによる形態の著しい差がない)
  • 素人目には間違いやすい毒きのこ(ヒカゲシビレタケ・ドクササコなど)がある(←→スギヒラタケと間違いやすい毒きのこはないと思われる)

自粛が続いてくると、「スギヒラタケ、いつになったら食べられるんだろっか?」なんてよく聞かれるが、ナラタケがある意味「ちと中級者向け」のきのこだからなんでしょう、と結論してみるテストだったり(結局何が言いたいんじゃ!と小一時間(ry)。

参考文献
長谷川絵里, 福田健二, 鈴木和夫(1991)ナラタケの生物学的種.日本林学会誌73(4):315-320.

(2007年2月28日作成)


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