クサウラベニタケ(Entoloma rhodopolium(毒)

 新潟県ではツキヨタケに次いで中毒の多いきのこである(「きのこ中毒のページ」を参照)。

 ウラベニホテイシメジEntoloma sarcopum)・ハタケシメジなどと間違われて食べられている、とされている。でも実態としては、シメジ風(ここでは種は特定されていない)の姿・形で、地味な色をしていて何となく食べられそう→食べてみよう→で中毒してしまうのではないかと考えている。

 誤食しても致命的ではない(と思われる)が、低くない確率で病院行きとなる。塩漬けにしても毒は消えない。

 イッポンシメジ属(Entoloma)なので、胞子が成熟するとヒダがピンク色になるが、幼菌のうちはまだ白い。傘の表面の状態、柄の色、柄の堅さ、柄の地下部の長さ、などで他種と区別することができるが、非常に紛らわしい。

2006年11月23日 ウラベニホテイシメジのうpに合わせて(間に合ってないが)、写真を差し替えますた(写真1・2)。

クサウラベニタケ写真1(60KB)

写真1(60KB)

クサウラベニタケ写真2(51KB)

写真2(51KB)

クサウラベニタケ(ヒダがまだ白い)

写真3
ヒダがまだ白いもの
(46KB)

↓以下に区別点をまとめたが、クサウラベニタケとウラベニホテイシメジの中間的な特徴を有する個体があるため、誤食して中毒しても責任は持てない。また、クサウラベニタケには、類似種のコクサウラベニタケ(Entoloma nidorosum)(食毒不明)があり、またクサウラベニタケと同属のイッポンシメジ(有毒)もあるが、後者は筆者は見たことがない(新潟県内にはほとんどないのではないかと思っている)。

表 クサウラベニタケ・ウラベニホテイシメジ・ハタケシメジの区別点

項目

クサウラベニタケ

ウラベニホテイシメジ

ハタケシメジ

食毒

毒

食

食

生育地

ブナ科の樹下

ブナ科の樹下

林道端、庭先などで
埋もれ木のある場所

傘表面

灰色〜帯褐灰色(ネズミ色)
吸水性で、乾くと光沢を表す

灰褐色(黄色味有り)
非吸水性、白色の繊維模様
指で押したような(斑)紋がある
ことがある(ないこともある)

灰褐色〜暗褐色(茶色)
綿毛状のカスリ模様
がある

ひだ

白色〜ピンク色

白色〜ピンク色

(類)白色

呈色反応

グアヤクチンキで緑色
硫酸バニリンには反応しない

グアヤクチンキには反応しない
硫酸バニリンで赤紫色

不明

白い
華奢で中空なことが多い
地下深くには入らない

白い
太くてゴツく、中実
地下深くに入る
(地上部と地下部が同長
くらいになることもある)

褐色

生え方 群生することもあるが、
株にはならない
群生することもあるが、
株にはならない
株状になり、
株から下に白い菌糸束
が地中深く伸びる
呈色反応:山下衛・古川久彦(1993)きのこ中毒、共立出版:p30-36 より

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